シェリー社とレジストレーションナンバーの話
イギリスから入荷した陶磁器等の製作年代を知るには、焼きや絵付けの具合を見たり、レジストレーションナンバーやバックスタンプの使用年を調べたり、様々な角度から推測するので経験や知識が物を言います。
中でもレジストレーションナンバーやバックスタンプなどがある場合は物の本を参考に制作年代を特定しやすいので助かります。
イギリスの銘窯シェリーの器にはバックスタンプやレジストレーションナンバー以外にもパターンナンバーが記されているので、シェリーの専門書を見ればそのシェイプ(型)名、パターン名、製造年代がすぐにわかる仕組みになっています。
ところがシェリーの器を調べていると、レジストレーションナンバーの示す年、つまりデザイン登録された年とバックスタンプなどが示す年代に大幅な開きのある場面に出くわす事が多く、とまどうこともしばしば…。
シェリー社の場合そのデザインをその後数十年にわたって造り続けていたので、レジストレーションナンバーの示す年と、生産された年に開きが生まれてしまうのですね。
おそらくほとんどの陶磁器の場合レジストレーションナンバーの示す年を製作年としているアンティークディーラーも多く、誤解が生じてしまっていましたが、デザイン登録後製作されたものに当時のレジストレーションナンバーがつけられる事もあるので、製作年を調べるのはやはり非常に難しい…と実感しました。
さらにはシェリー社の場合、レジストレーション番号をシェイプの登録番号として扱っているようで、同じシェイプで違ったパターンの場合は、それぞれの番号が刻印されていたりします。
シェリーの専門書はその分厚い本の内容の殆どがシェイプやパターンの名前や歴史の記述に費やされています。
このように緻密にデザインや登録管理されていたのには、当時から人気の高かったメーカーなだけにコピー品防止の意味もあったのかもしれません。
イギリスではコレクターの方々が日々研究を重ね、数々の専門書が発刊されています。
シェリーの参考書は何冊もございますが。今回シェリーを調べるにあたりSchiffer社の「SHELLEY TEA WARE PATTERNS」を参照させて頂きました。
非常にわかりやすく、シェリーの専門書としてオススメの一冊です。
アンティークを扱っていると、まさに温故知新、日々勉強です。
それでもまだまだ、勉強不足でいたらない点ばかりです。 もしこのブログをご覧いただいていて「?」な部分がありましたらお気軽になんなりとご指摘下さい!
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