From Factory
みなさんこんにちは。
気温が暖かくなり少し遅いですがようやく春になりましたね。
工房では冬の間お世話になった石油ストーブの出番も少なくなり、作業をしてるとじんわり汗ばむことも多くなりました。
それにしても桜も開花したというのに先日の降雪には驚きました。この時期の降雪は実に四十数年ぶりらしいです。
今回はアーコール社製「スウェプトバックチェア」を修理しました。
元々濃い茶色い塗料が塗られてるのを剥がしたらしく、黒っぽさが染み着いてて木肌は塗料の剥離の際に多量の水分を吸った影響でバサバサになっていました。
椅子全体を丁寧にサンドペーパーで擦ってツルツルにします。バサバサした手触りはすっかり無くなりました。
だいぶ木肌が白くなりましたがやはり若干黒っぽさが残りました。
そうしたら逆にこの黒っぽさを生かせるように再塗装します。今回の塗装はラッカーを吹き付けました。
テーブルみたいに平面の吹き付けと違って椅子の吹き付けは難しくコツが必要なので腕の見せ所です。
塗料が乾いたら完成です。良い感じに白色と濃い茶色の中間に仕上がりました。
こちらのスウェプトバックチェアは背もたれ上部もエルムで出来ています。
通常アーコールチェアの背もたれはビーチで出来ているので珍しいです。
また、一脚はとても珍しい木目の座面をしています。
滅多にお目に掛かることが無いのですが、「キルテッドエルム」と言うらしいです。
大木の根元の部分で稀に採れるらしいのですが、木の重みで木目が蛇腹のように歪んで曲がってしまう現象です。
キルテッドメイプルやキルテッドマホガニーなどギターの材料で使われていることでも知られており、大変珍しいので価格はかなりお高くなるみたいです。
キルテッドエルムのスウェプトバックチェアは藤沢店にて販売中です。
キルテッドエルムは大変珍しいので一回見てみるだけでも価値がありそうです。
From.K
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