サイドボードを洗面台にリメイク
アンティークのサイドボードを利用した、洗面台の製作です。
横浜の野毛エリアのイタリアン3丁目リガットさんに納品されました。
日程の都合上、移動が出来ない為に型番から探し出した図面を元にしての製作となりました。
今回は洗面器も蛇口も既に現場に有り、当工房で設置前の仮組みが出来ない為、万が一間違いがあっても納品時まで判明しないというのは、なかなかのプレッシャーです。
ベースとなるのはこちらのサイドボード。
アールデコのお手本の様な意匠の彫刻が施された、1930年代イギリスで製作された家具です。
サイズ、構造共に洗面台には向いているとは言えませんでしたが、オーナー様たっての御意向で出来る限りの加工をすることになりました。
こちらのサイドボードは女性専用の化粧室に設置されますが、オリジナルの天板面までの高さは約95㎝、さらに洗面器を乗せることを考えると通常の洗面台よりやや高めの状態です。
ちなみに某水回りメーカーさんの推奨は85cm、靴を履いて使う前提でもやはり少しでも低く加工しておきたい所です。
この家具の場合は、天板、引き出し、扉までは当然カットする余地が無く、脚先でカット出来るのはデザインの都合上ごく一部のみ。
箱から下を一旦解体し、脚の上の部分、(解りづらい表現ですが)脚先と箱の間を違和感が無い程度にカットオフしています。
後は通常の洗面台の加工。
古い塗装を剥離してから再塗装となりますが、とにかく厚めにウレタンコーティングします。
使用頻度や条件にはよりますが、キッチリ塗装すれば、長期の耐水効果が期待できます。
ちなみにキヤ・アンティークス藤沢ウェアハウスのトイレの洗面台の天板は、同様の塗装で19年間メンテナンス要らずです。
このサイドボードの様に、天板がオーバーハングしていない家具は、本体にも水滴が付きやすいので、全体も耐水性の高い塗装が必要です。
右側に洗面器を寄せた都合上、右側の引き出しと扉は使えなくなるので内側から固定してしまいます。
ただし配管のメンテナンスをするための点検口は設けてあります。
普通のレストアでは箱物家具は、若干背面に傾けて仕上げますが、洗面台に限り少しだけ前に傾けます。
これは天板面に付いた水滴が後ろ側に流れて行かない様に、目視では解らない程度の勾配です。
実際は現場の床のレベルに依るところも大きいのですが、出荷前には微妙な調整をしています。
現場ではかなり日程が押していた様で、納品予定の1日前にオーナー様自ら引き取りにご来店されました。
現場への設置及び配管はオーナー様のほうで手配された業者さんが行う運びでした。作業が間に合って良かったです。
後日写真を送って頂きました。
完成形を見るのは始めてでしたが、上手く収まっているようで一安心。
他にも照明、テーブル等、お店のインテリアもキヤ・アンティークスでご購入下さりました。
一軒家イタリアン 3丁目リガット ➡ https://sanchomerigatto.gorp.jp/
キヤアンティークスでは、お客様のアイデアを様々な加工で施したスペシャルな1台を製作致します。
詳しくは店頭で修復士がご案内致します。
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