From Factory
こんにちは。ここのところ暫く天気も悪く寒い日が続いていますね。
工房では寒さの為、手足に霜焼けが出来て毎日痒さとの戦いです。
今回はエルムカントリーチェアの修理を紹介したいと思います。
僕個人としてはこういった古臭い感じの家具を直すのが好きです。
雰囲気を損なわずに修理するのはアートのような感覚です。
このカントリーチェアも良い感じに田舎っぽさが出てて古臭い雰囲気があります。
背中の裏側の上の部分が片方欠落しています。
かなり昔に欠落したのでしょう。
角は丸みを帯びて欠けてヘコんだ木目の繊維の中に汚れや古いWAXが詰まっています。
座面と背中の接合部には横から数本のダボが刺さっています。
ここにも汚れや古いWAXが詰まっています。
まず、背中がグラグラしているので背中と座面を外します。
座面の横から刺さっているダボをドリルでほぐすと錆びた釘が刺さっていました。
埋まっていると釘を抜くのをかなり手強いです。
木部を傷めないように厚革をあてがいながらニッパーで掴んで慎重に抜きます。
次に背中と座面をゴムハンマーで叩いて外します。この際も座面を傷つけないように外します。
すると驚いたことにホゾとホゾ穴の隙間に錆びた金鋸(金属を切る鋸)の破片が刺さっていたではありませんか。
おそらく何十年も前にイギリスで直した時に当時の職人がスペーサーとして差し込んだものと思われます。
ですが、いくらなんでも金鋸って…。よほど忙しい職人だったんでしょうか。
接着が弱っていたのでほとんどバレました。
各部に接着剤を塗り組立てます。ハタガネという器具を用いて固定します。
接着剤が乾いたらベタつく手垢や、はみ出た接着剤をクリーニングします。
この際に汚れを落としすぎないように気をつけます。
ダボ穴を埋め直して最後にWAXを塗って仕上がりです。
このタイプのカントリーチェアが藤沢ウェアハウスで現在3脚販売しています。
実際に座ることも出来ますので気になる方はお気軽にご来店ください。
From.K
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