鉄製の家具
珍しく鉄製の家具を直しています。フランス製のヴィンテージのディスプレイキャビネットです。
パーツに鉄が使われてるという事ではなく、全体が鉄とガラスで造られています。
人気の工業系インダストリアル家具ですか、色々と修復の途中で入荷してしまったようです。
ガラスキャビネットは、店頭で小物のディスプレイで使われるため、鍵を使える様に修復するのですが、元々付いていた鍵が、いわゆるマル鍵と言われる物です。
そして肝心の鍵が紛失しています。
見た目もあまり良くないので、いつも通りアンティークの鍵に交換してしまうことにしたのですが、相手が鉄だと一筋縄ではいかないものです。
一つ一つの作業に時間を取られますし、木材のように融通が効かないので穴1つ開けるにも気を遣います。
金属にパーツを組み付ける手段は何通りかありますが、今回はガラスも心配なので、高温になる溶接や、振動系の工具は使わない方法で組み付けました。
今回はタッピングビスとボルトナット、車の修理で使うブラインドリベットで一通りのパーツを取り付けました。
あとは、剥離されかけたペイントを補修して終了です。
当時のフランス人に技術がなかったのか、時間が無かったのか根性が無かったのかは解りませんが、ほんの少しだけ剥がして終わっています。
実は個人的に白系ペイントのタッチアップが苦手でして、古い物は日に焼けたり汚れたりしているので合わせて調色するのに毎回難儀します。
数色重ねてツヤ気を調整してこんな感じ。
比較的ラフな仕上げがカッコいいタイプの家具なので気は楽ではありますが、なんとか違和感が残らないように仕上がりました。
No.KK595
フランス製 アイアン ディスプレイキャビネット
W750mm D415mm H1700mm
¥220.000(税別)
同系のアイアン製キャビネットは複数台在庫しております。
藤沢店でご覧いただけます。
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