From factory
キヤ木工所スタッフによるブログ、久しぶりの更新です!
アンティークのレストアでは(特にキヤでは)御法度の鏡面仕上げに挑戦です。
家具に顔がハッキリ映るまで塗膜を仕上げるとアンティーク家具の雰囲気とは合いませんからね。
ちなみに「艶有り」と「鏡面」は大きく違います。
アンティーク家具のレストアでも艶が必要なケースは多々有ります。
フレンチポリッシュ、ラッカー、ワックス、等々。
その家具その家具に似合う艶を日々研究していますが、鏡面になるまで仕上げる事は、普段の仕事でまず選択することはありません。
今回はいつもと違って中国製の螺鈿細工が美しいコーナーキャビネットが入荷しました。
ボディがツヤツヤなのに対して天板は砂場で引きずったような傷が一面についています。
普段なら上から塗装して終了なのですが、塗装の被膜が厚く、また下地の塗料が何が塗られているかサッパリ解らないため(おそらくポリウレタンかポリエステル、漆、カシュー等、溶剤に殆ど反応しない塗料)、上塗りの塗料との相性も考慮して、表面を研ぎだして仕上げようということになりました。
この様な粗めの傷から研ぎだすには、最初のサンドペーパーの番手チョイスが仕上げを左右します。
最初が粗めのサンドペーパーだと塗装が剥げてしまうリスクがありますし、細かいサンドペーパーだと時間が掛かる割に思った様に傷が消えないので、調度良いところを経験とカン(2対8くらいでカン)で選びます。
今回は傷の深さからみて#800番からスタートして、徐々に細かいサンドペーパーで傷を落としていき、最終的に#2000番まで研いでいきます。
ここでは耐水加工がしてあるサンドペーパーを使います。
水を付けて研いでいきますが、裏技として中性洗剤を少し混ぜると細かい番手でも目詰まりしにくいので効率が上がります。
最後にコンパウンドで磨き出しワックスで仕上げます。ポリッシャー等の機械を使うとラクですが、大した面積でもないので手作業で仕上げました。
元々の深い傷は若干残ったものの、ボディとのバランスもとれて、75点って所でしょうか。
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