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END-OF-DAY | キヤアンティークス
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END-OF-DAY

突然ですが、一日の終わりって何色だと思いますか?
まさに一日の終わり「END-OF-DAY」という名前のついたガラスがあります。

今日という一日を振り返った時、様々な思い出が頭を駆け巡っていく、そんな情景をガラスに表現したのでしょうか…

と思ったら、実はガラス職人さんが一日の作業を終えたとき、足下に落ちている様々な色のガラスのかけらを寄せ集めて作った、と言う由来を持つガラス器を「END-OF-DAY」と呼ぶんです。
それでもやっぱり、一日の終わりにぴったりな色だなと思ってしまうのは私だけでしょうか。

こちらは1930〜40年代の「END-OF-DAY」ガラスのローズボウル。
ローズボウルとはバラの花を短くカットし、花の部分だけを生けるためのボウルです。
このローズボウルには何色のバラが似合うでしょうか。それもその日によって違う色にしたくなる、そんな不思議な花瓶です。

そもそもこの「END-OF-DAY」という名称、今日では手吹きガラス(hand blown glass)製法で作られたガラス器、なかでも「スパッター・ガラス」(飛び散ったガラス)という製法で仕上げられたガラス器の代名詞となっているのですが、そのルーツを遡ると、少々違った事情が見えてきます。

 

 

「END-OF-DAY」の発祥は元々、イギリスの一部地域、かつてガラス器の産地として知られたネイルシーやスタウアブリッジのガラス職人達が、仕事終わりに余ったガラス片を集めて作ったガラス製品です。

当時のガラス職人達は一日の最後の仕事として、使い切らず余った半端なガラスのうち大きめのガラス片を窯(かま)で溶かして素地ガラスをつくり、次に小さな欠片を熱々の素地ガラスに転がし付着させ、それを再度、窯にもどし表面を溶かすことで(結果的に)唯一無二の模様を持つガラス器を作り出していました。

この一連の工程が、正にスパッター・ガラスの製法そのものであった為に「スパッター・ガラス」=「END-OF-DAY」となっているわけです。

同時に「END-OF-DAY」ガラスが、仕事場の清掃作業を兼ねた一日の終わり=〆(しめ)の仕事の副産物だったという事に他なりません。

不揃いなガラスから作られた規格外のガラス器は、それを作ったガラス職人の所有物となり、彼らが家で使ったり、時には安息日の市(マーケット)で売られることもありました。

こうした結果、ガラス産業が盛んな町でしか手に入らない個性的なガラス器「END-OF-DAY」は、おのずと町の特産品となりました。

しかし、17世紀から続いていたイギリス独自のガラス産業は19世紀〜20世紀後期にかけて皆一様に下火となり、「END-OF-DAY」もガラス産業の衰退と共に姿を消してしまいます。

同じような流れはヨーロッパ各国やアメリカのガラス器産地にも見られ、様々な土地で作られた「END-OF-DAY」を見つけることが出来ます。

 

写真は20世紀前期、1930〜50年代に作られた「END-OF-DAY」の花瓶たち。

 

藤沢ウェアハウス店にて展示販売中です。

Shere
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