カトラリーのバングル
このバングルを作ったアーティストさんは、ケルト民族の末裔なんだそうで、イギリス買い付け時に知り合いました。
アンティークのカトラリーを使ってケルト紋様を実に上手く表現する達人でしたが、何度か取引できたものの、いつの間にか行方不明になってしまい、大量に買い付けた作品も残すところわずか!となってしまいました。
横好きで彫金をカジっているレストアラーT は前々から「これ自分でも作ってみたいな」とチャンスを伺っていましたが、とうとう商品のフォークを加工しても良し。
と許可がおりまして、早速やってみることに。
ちなみにオリジナルはスターリングシルバー。
今回手をつけた商品は、当然リーズナブルなニッケルシルバーにシルバーメッキされたカトラリーです。
金属を曲げる際は、まず「焼きなまし」をして金属の組織を柔らかくします。
この「なまし」の方法は、金属の種類によって違うので注意しないと素材を傷めます。
ニッケルシルバーの場合はバーナーで赤くなるまで炙って、自然に冷えるのを待ちます。
純銀と違い、急冷すると脆くなりフォークの刃なんて簡単に折れてしまいます。
試しにコイン(日本の硬貨だとヤバいので海外のお土産)を曲げてみました。
純銀ほどではありませんがなんとか曲がる様です。
ニッケルシルバーの特性を確認したところで本番に挑みます。
まぁまぁ上手くいったかと。どうでしょうか?
左 オリジナル海外作家さんの作品。
右 レストアラーT作
オリジナルの方がヒネリがキレイに入ってますね。
100円硬貨と同じ金属ですから当然と言えば当然。
ですが、初めて扱う硬さの素材でした。
柄の部分を均等になるように曲げるのは難儀しました。
結局、彫金の技術というより、造り手の思い切りが出来を左右するように感じました。
完成後、横浜店に納品しました。
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