オークホールチェア修理依頼 前編
家具のパーツはとにもかくにも捨てずに保管しておいてください、というお話。その2。
お客様からの持ち込みオーダーで、重体の椅子の修理依頼です。
19世紀のイギリス製、オークホールチェアです。
相変わらず写真が作業の途中からで申し訳ありませんが、左の椅子の座面の後側が1割ほど欠損しています。
右側は見本でお預かりしたペアチェアの片割れ。
背もたれを差し込むホゾ穴があるので重要な箇所ですが、肝心のパーツはバラバラだったので捨ててしまったそう。
仕方ない・・・というわけでここのパーツのみ復元することに。
仕方ないとはいったものの実はかなり好きな部類の仕事です。
まずは材料選びから。
当然同じ素材で寸法が足りていて、できる限り、国、時代、木目が揃う物を選びます。
工房の古材置き場から木材をできるだけピックアップしますが、使える古材でこれだけ選択肢があるのも希なケースです。
通常は1点か2点あればいい方で、全く無ければ見合った新材を探して使うことになります。
今回はこの中からイギリスの19世紀の建物に使われていた、元々は巾木だった木材を利用することにしました。
程々な寸法にカットして、本体と接ぎ合わせます。
ここから彫刻の復元です。見本があるので助かります。
何段階かに分けて掘り進めます。さすがオーク、硬い!
Back to Page