ゴシックスタイルホールチェア 修復
家具のパーツはとにかく捨てずに保管しておいてください、というお話。
アンティークの家具は、彫刻で装飾されている事も多く、突起部分付近は接着されている事もあり、何かにぶつけた時などは、当然ツルっとした現代家具よりダメージを受けやすいのは確かです。
この木片は、椅子の背もたれですが、入荷の段階でバラバラになっていました。
ちょっとしたパズルみたいです。
一見、再起不能に見えますが、パーツさえ揃っていればどうにかなるもんです。
木目に対して弱い箇所が、木材が乾燥で縮んだことにより裂けてしまった様です。
縮んだとはいえ、接着するにあたり、不具合があるほどではありませんでした。
時には数回に分けて接着したりしますが、段取り良くクランプして接着します。
1ヶ所でも足りずに彫刻を復元することになると、これがまた大仕事になりますが、今回は全てのパーツが1ヶ所にまとめてあったので非常に助かりました。
普段は彫刻の欠けや、欠損したパーツは工房のパーツボックスから探し出す事を試みます。
こんな箱が5~6箱、店頭や倉庫に落ちていたパーツ類は自動的に放り込むことになっています。
この中から探し出すのはなかなかの手間ですが、オリジナルが活かせることと、1から作り直す事を考えると一通り見ないわけにはいきません。
完成したホールチェアがこちら
ディープなキヤアンティークスのお客様にファンの多い、19世紀イギリス製、ゴシックスタイルのホールチェアです。
フジサワウェアハウスでご覧いただけます。
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