ハンギングランプを四点追加しました
20世紀初期に作られた上質なハンギングランプを4点ピックアップしました。
まずは南フランスのミューラー兄弟工房が製作した大きなハンギングランプボウル。
微妙に色味の異なるグリーンを組み合わせた斑紋ガラスの本体シェードはかなり印象的で美しい色合せになっています。
特に山繭(やままゆ:山繭蛾の繭。天蚕)色のグリーンは消灯時のほうが顕著に感じられます。
チェーンと吊り金具、カップなどすべてのアイアン(鍛鉄)パーツじはオリジナルですので、デザインのみならず色合いも雰囲気があります。
アメリカ製のアンティークランタンを電気照明にしたランタン型ハンギングランプ。 バレル(樽)型のルビーガラス製シェードが全方位を赤色光で照らします。
この真っ赤なルビーガラスはピンク系統のクランベリーガラス同様ガラス発色の添加物として金を使用したガラス製コレクタブルの一種ですが、照明に使用されるのは比較的珍しいです。
3つ目は先述のミューラー兄弟工房作成のハンギングランプと同時期にフランスで生産されたアイアンと斑紋ガラスのハンギングランプ。
円盤型のフレーム中心に深堀のガラスシェードが収まるデザインです。
植物をモチーフにした漆黒のフレームが見事ですが、意匠になっているのは薺(ナズナ)。 薺はイギリスやフランスなど西欧圏でシェファーズ・パース(羊飼いの巾着)の名で知られ、古来より食用や家畜の餌、薬用にも用いられてきました。
無銘ですが変形型オーバルシェイプのランプボウルに専用のアイアンフレームが使用されており、おそらくシュナイダー兄弟工房の作品と思われます。
最後はこちらの大柄なハンギングランプボウル。 南フランスのガラス工房アンドレ・ドゥラットが20世紀初頭に製作しました。
余談ですがオーナーのドゥラット氏は元銀行員で、最初に紹介したミューラー兄弟工房などナンシーのガラス工房は彼の顧客だったそうです。
ガラス職人の仕事を目にするうちに触発された結果、好きが高じてガラス造りの世界に入っていったという面白い人物です。
いかつい葉っぱ型のアイアンパーツがチャームポイント。
モチーフはティアサンブというイヌタデ属の蔓植物の一種。 鏃(やじり)やハルバードまたは悪魔の尻尾にも例えられる特徴的な葉の形をしています。
掲載した商品は全てキヤ・アンティークス横浜店で展示販売中。在庫リストとオンラインショップにも掲載しています。
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