ダイニングテーブルの脚交換
今回はちょっと珍しいオーダーです。
キヤアンティークスオリジナルのパインテーブルの脚だけ交換希望のお客様。
事情を伺うと、4年前に造ったダイニングテーブルの脚の貫(脚と脚を繋ぐ部材)に子供用の椅子が当たってしまい、相性が良くないとのこと。
このように家族構成の変化等で家具を使い易く加工する必要もあるかと思います。あまりオリジナルに拘らずにぜひ1度ご相談ください。
製作当時のデータも手元に残っていたので、細かい打ち合わせをメールで済ませて製作開始です。
今回は貫(脚と脚を繋ぐ部材)が不要、汚れても掃除がしやすい形状と仕上げをご希望でしたので、平面で構成されたテーパーレッグをご提案。
天板がデフォルトのモデルより厚い分幕板を少し細く造りました。
また子供さんが体当たりしてもダメージを抑えられるように、体や頭が当たりそうな場所は極力丸く仕上げてあります。
元のテーブルは、脚はダークブラウン、天板はライトブラウンのツートーンで仕上げてあり、今回の脚も塗装は濃い目のブラウンで着色。
ポリウレタンでコーティングしましたので今後は汚れてもガンガン水拭きして頂けます。
家具の改造をご希望の場合は、家具をお預りして、工房で細かい調整を加えてお届け、というのが正規の流れですが、今回は現場での取り付け設置に伺いました。
現場では思いもよらないトラブルも起こるリスクもありますが、余程の致命傷さえ無ければ実はこちらとしてもその方が助かります。
元のテーブルはこちら。(塗装前)
まずはひっくり返して脚と天板を解体。
キヤアンティークスの製作テーブルはアンティーク家具に倣って天板と脚は解体出来るように作られています。
新規で製作した脚を乗せてネジ止め。
ここでひとつ拘り。
キヤアンティークスで製作するキッチンテーブルとリフェクトリーテーブルの天板の固定方法は、アンティークに多く見られる駒止めを採用しています。
幕板の溝にL字型にカットした木材を差し込み、天板にビス留めして固定します。
天板と脚を摩擦力で固定することにより、湿気や乾燥による天板の伸縮に対応した昔ながらの造りです。
同じ機能を持つ金具が市販されていますので、それを使ってしまえば作業工程は圧縮できますが、ここは見た目に拘りあえて手間を惜しまず作っています。
仕上げに脚の裏にフェルトを貼って正位置に返します。
通常はここまで組み付けた状態で工房の定盤に乗せ、天板4隅の高さや水平をチェックしますが、今回はダイニングの定位置で設置した限りではカタカタもせず落ち着いておりましたので、ここで作業完了となりました。
課題の子供用の椅子も無事設置できましたし、新しい脚は掃除のしやすい仕様で作りましたので、遠慮なく使って頂きたいものです。
ありがとうございました。
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