Facebook instagram
KIYA-CO.JP

BLOG

ブログ

製作ステンドグラスオーナメントと窓用パネル | キヤアンティークス
From Factory

製作ステンドグラスオーナメントと窓用パネル

こちらは以前製作した絵付けステンドグラスの習作。取り急ぎ使用する予定も無かったので、ハンギング・オーナメントとして横浜店で展示しています。

今日「ステンドグラス」もしくは「ステンドガラス」といえば、太い黒線で形作られた切り絵のようなヴィジュアルの作品を連想します。
しかしながら元来は「ステインド(STAINED=顔料を着けた・顔料で汚した)・ガラス」の名の通り、顔料を使って聖書の物語や宗教的モチーフを描いたガラス窓=”絵付けされたガラス”の事を指しました。

現在のような大きな一枚板のガラス板を製造する技術が未発達だった中世期から生産され続けた、これらの絵付け技法は(使用される材料に若干の変化はあれど)根本的には変化すること無く現代に引き継がれています。

当社在庫のステンド窓パネルは19~20世紀頃の物が多いのですが、なかでも絵付けがされた品はそこまで数が多くありません。
とは言え修繕や改造の一環として絵付けガラスの製作が必要とされることもあるため、一通りの技法を再現する道具類を取り揃えています。

表題のハンギングオーナメント習作も19〜20世紀アーツ・アンド・クラフツ期の作風に似せ、古典的ガラス絵付けの技法を一通り用いて製作されたもの。
大まかに、下記のような手順で仕上げました↓

 

先ず下絵を元に、大まかなサイズにガラスを切り分ける所から始まります。

次に、切り分けたガラスに非透光性顔料で主線を描きます。

透明のガラスと同様に、色ガラスの部材にも適宜絵付けを施します。

この段階で仮組みしたのが下の画像です。

ここからクリア(透明)のガラスパーツは完成までに複数の絵付け工程が要されるのですが、具体的には

・陰影作り
・顔料による染色とエマイユ(エナメル)による彩色

を、施します。するとこの通り↓

これで絵付け工程は完了です。

あとは窓パネル用のケーム(枠組み)に組み込んで・・・

 

溶着して完成。

カットガラスを作成し、ケームに組み込む手順に加えて上記工程を行うため製作に手間と時間を要しますが、絵付けされたピースを用いることで一層絵画的な効果を生み出す事も可能です。

例えば↓このように直線で構成された窓パネルに取り入れるだけでガラリと雰囲気が変わります。

※こちらはアンティークのハンギング・オーナメント(天使)二つを縦に並べ、それを中心に新規製作された窓パネル。

 

また、ステンドグラス・パネル全般に云える特徴として

・遮光性が高い

・割れても飛散しない

という二点が上げられる一方、一枚板のガラスと違って複数のガラスが枠に沿って組み上げられているステンドグラスは気密性が低く、高い気密性を前提とした現代建築の外壁に接した窓や内扉には不向きな場合が多いという点にも留意が必要です。

(気密性に関し、現代物のステンドグラスはこの限りではありません)

 

皆さんも生活の一端にステンドグラスを取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

 

オンラインショップのステンドグラス在庫はこちら

ウィリアム・モリスのファブリックとステンドグラスを用いた製作ワードローブ

ステンドグラスを取り入れたアーチ窓

Shere
Tweet

Back to Page
アンティークについて・購入ガイド
KIYA ANTIQUES 会員様は1年中5%OFF PINE TABLE
Now Loading...