From Factory
木工で長く作業を続けていると、やってみたい事や出来そうな事が色々湧いてきます。
ただ実際に試してみないと気付かないこともあるわけで、当然お客様のものにはいきなりチャレンジ出来ない。
また、ただサンプルを作ると気づきが少ない、(自分の場合ですが)。
使うところや使う相手のことを考えながら物を作ると、色々な制約が出てきて出来上がりの精度が増します。
ということで、この度、知人の古希のお祝い用に、実験を兼ねて靴ベラの製作しました。(知人には失礼ですが。)
まず材料です。
家具を修理製作していると、特別な場合を除き、節やひねくれた木理を嫌い避けて材料取をします。
その結果、動きのある面白い木目や色の変化がある部分が端材で残ります。
そういう部分は強度が低く、またねじれや割れもしやすく、なかなかの癖の強さです。
また端材なのでサイズも小さい。という事で、サイズが小ぶりで、強度実験のために、力がかかりやすい物で、動きや割れに気付きやすいよう良く触れるもの。
靴べら!。。。ピンと来たときに知人は72歳。出来上がるまでに1年弱。
それはさておき、もう一つの材料ですがエポキシ樹脂。
最近はレジンと呼ばれることの方が一般的ですが、プラスティックの一つです。
最近の物は扱いやすく、透明度も高いので装飾性も高められます。リバーテーブルが流行りですかね。
この二つを使い靴べらを製作するのですがイギリスから輸入したオーク材に虫の死骸が紛れていたので、エポキシに閉じ込め琥珀風にしてみました。
こういう感じも面白がってくれそうなので。(追加注文でベースにもう一匹入れることに。)
木目も綺麗に出てエポキシ樹脂も見た目は上々。強度も今は問題なし。
あとは、2、3年後にどうなっているか結果が楽しみです。
Back to Page