トビー・ジャグ
イギリスの伝説的飲兵衛(のんべえ)「トービー・フィルポット」なる人物がモデルとされている、イギリス生まれのコレクタブルアイテム「トビー・ジャグ」をご紹介。
飲み物を入れる陶製ピッチャー(水差し)の一種なのですが、スタッフォード州で最初に作られて以後、その姿を刻々と変えつつイギリス全域及びヨーロッパ、果てはアメリカやロシアでも生産されました。
総じて飲酒や喫煙、嗅ぎ煙草(かぎたばこ)等々の嗜好品を嗜んでいるのがその特徴です。
この「トービー・フィルポット」、そのルーツには諸説ありますが、一説にイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの喜劇「十二夜」の登場人物である「サー・トービー・ベルチ」がそのイメージのモデルになっていると云われています。
特定のメーカーや工房が作ったものでは無く、伝承や噂話、出版物や詩作から来るイメージが人々の間で共有されることでその形を成した、歴史あるコレクタブル・アイテムで、実際に18~19世紀イギリスの著名なイラストレーターたち(フランシス・ハイマンやジョージ・クルックシャンクほか数多の風刺画家たち)の手で繰り返し描写されたことで、変遷を交えながら「トービー・フィルポット」のイメージが徐々に固められていきました。
なお、インテリア装飾的アイテムに思えますが、18世紀~19世紀当時からビールほかアルコール飲料用のピッチャーとしてパブや紳士向けのサロンなど実用されていたようです。
※ちなみに今日、英語圏でトビー・ジャグ(トービー・ジャグ)=著名人や映画の登場人物を象ったキャラクター・ジャグ全般を指す意味もあります。
キヤ・アンティークス横浜店とオンラインショップで販売しています。
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