Dumb Waiter ダムウェイター 寡黙な給仕
こちらのテーブル、名前を「Dumb Waiter ダムウェイター」と呼びます。
18世紀のイギリスで誕生し、20世紀初頭頃まで愛用されていました。
ちなみに、現代ではレストランやビル等で食事や荷物を運ぶ為の小型エレベーターを「ダムウェーター」と呼んでいます。
この2〜3段のテーブルと、小型エレベーターが同じ名前ってなんだか不思議ですよね。
「Dumb」というのは「しゃべれない、無口な」という意味。
「Waiter」はそのまま「ウェイター、給仕人」ですね。
つまりはどちらも”しゃべらない(寡黙な)ウェイター”という意味なんです。
テレビやラジオのなかった時代、イギリスの貴族の家では食事の時やお茶の時間に友人や知人を招き、政治やゴシップの話をします。
その時、部屋の脇では執事やフットマンと呼ばれる使用人が控えながら給仕をするのですが、当然家主達の話が彼らの耳にも入ります。
そんな立ち聞きで秘密の話も筒抜けになり、トラブルも耐えなかったことでしょう。
家主とお客人が話に夢中になっている間、給仕がいなくてもいいようにダムウェーターにお茶やお菓子を置いてもらって、執事達を立ち入り禁止にした、と言うわけです。
こんな風に家具にドラマが隠されているというのが、アンティーク家具の醍醐味です。
イギリスの貴族と使用人との関係で生まれたアイテムとしては、以前こちらのブログでも紹介したタンタラスもとても面白いですよね。
貴族と使用人の話と言えば、もうひとつ。
イギリスのドラマ「ダウントンアビー」はご覧になりましたか?
20世紀初頭のイギリスを舞台に、まさに貴族と使用人達の織りなす群像劇が描かれています。
このドラマ、ストーリーはもちろんのこと、家具や生活道具も見所の一つなんです。
アンティークファンは必見!おすすめです!
Back to Page