アンティーク家具レストア物語*前編
今回はキヤアンティークスの舞台裏、アンティーク家具のレストアの様子を紹介したいと思います。
レストアは英語でrestore=回復するという意味。
キヤアンティークスでは永年愛用されてきたアンティーク家具を現代でも使用できるように修復する作業を行います。
今回のサンプルは以前ベントウッド(曲木)チェアでも紹介したトーネット社のアームチェア。
色がいい感じにあせていますが、お客様とのご相談によって色やつやの仕上がり具合を調整します。
まずはがたつきをチェック。今回はアームと座面をバラシました。
座面の枠にトーネット社の製品である事を証明するラベルが貼ってあります。これはかなり希少!
木と木をつなげる部分はベントウッドチェアでは珍しいホゾ継ぎ。
産業革命以後に生産された椅子は、そのほとんどが「ダボ」と呼ばれる丸い木の芯を用いた組み方=ダボ継ぎで組まれています。
ダボ継ぎのほうが加工が簡単で強度があるのですが、レストアの際にバラそうとすると固く組まれすぎており、他のパーツを傷めたりするのが難点なのです。
それに対してホゾ継ぎの優れた点は壊れたときにバラシやすいということ→壊れても簡単に何度でも直せる→結果的に家具を長く使い続けることが出来ます。
直す事を前提にした、なんともイギリスらしい家具の作り方なんですね。
接着剤を塗って組み直し、ハタガネという道具でしっかり固定します。
がっちりくっつくまでこのまましばらく放置…。
次回、塗装&フレンチポリッシュで仕上げます!
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