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ヴィクトリアン(1837〜1901年) オークカーヴィング コンソールテーブルのレストア

自社工房の熟練した職人の手によるアンティークコンソールテーブルの修理・仕上げの様子をご紹介いたします。画像はクリックすると拡大します。

デコラティブで重厚なおもむきのあるカービングコンソールテーブル。イギリスから入荷された当初の写真です。 写真ではおもむきが有りそれなりの雰囲気がですが、実際の状態はというと天板のはぎ(つなぎ目)が切れていて脚部もだいぶぐらついており、とてもそのまま使える状態では有りませんでした。

当社では基本的にすべてのアンティーク家具を、オリジナルの状態を損なわず、かつ実用に使えるように、また日本の気候風土に合うようにレストアを行います。まず修理をする際に現状を良く確認します。今回のテーブルは構造部分の状態が非常に悪く、ほとんど分解して修理する事になりそうです。

天板を外し脚部の修理を行います。古いマイナスねじで昔ながらの止め方をしている天板でしたので、きれいに抜けるか不安でしたが、素直に抜けてくれる良いネジで助かりました。


修理箇所の釘を抜きます。この脚部はがたつきがおこるたびに仮補修をしていたようで、隙間がある状態ではがれた膠や汚れが多く,加えて脚部の割れをそのまま釘で押さえてあります。釘を抜く時に多少木部をいためますが、今回の場合そのまま直すとすぐにがたつきがおこり余計に家具をいためる恐れが有るので、「肉を切って骨を直す」方法で行いました。案の定、脚も骨も痛んでいます。痛みのひどい箇所を奇麗に直した時にはちょっとした快感です。

ほかの部分も分解して行きます。傷つけないように当て木をして、たたいて外します。

天板もはぎ合わせをするのでばらします。

全て分解し終えました。

まず天板の修復。 切れたはぎめの膠をあらかた落とし、反りやささくれをきれいにする為に機械に通します。


きれいに整えた所で、木のはた当てとはた金で固定します。この時、上下左右にずれの無いよう接着するのですが、長い間はずれたまま放置されていた為に、厚みや反りがどうしても合いません。それは後ほど仕上げでの腕の見せ所です。

脚部も固定をしておきます。細かいパーツを固定する為に締め具だらけです。

翌日以降、接着財が固まっているか確認をし、組み付け仕上げ作業に移ります。

次に天板の下部に厚みを持たせる装飾パーツを取付けます。オリジナルではネジ穴が単純な丸穴でした。その為、木の収縮についていけず天板がはぎ切れを起こしてしまうのです。その対処法としてネジ穴を長穴に加工しておきます。これで多少の収縮のときに割れやはぎ切れを起こす事が有りません。

以前使われていた不要なネジ穴の埋木。


オリジナルのマイナスネジを使い組み付けていきます。使えるネジは出来るだけオリジナルで。ですが、使えなくなった物や欠品も。

そのようなときには他のアンティーク家具から外したストックネジから探し出します。これはほんの一部。 当然新規のプラスネジを使う事も有りますが、見えにくい箇所や、色を塗ったり、埋めたりもします。

ここから脚部の修復に戻ります。大まかな本体の修理は終えましたが、細かい部分の修理が残っています。修理と仕上げの中間ぐらいですね。 パーツの大きい欠品部分は製作です。楽しい作業では有ります。はい。 製作のコツは同じ木材で木目を合わせ、彫刻のクオリティーを合わせる事です。クオリティーが落ちるのは問題外ですが、キレイに造りすぎてもいけません。

釘穴の修復。修復する場所の木目にあうように木材をカットし、木目の方向をあわせて埋めていきます。そうすることによって見栄えも良くなり、強度が増します。

どうしても出来てしまう天板のズレを合わせていきます。鉋で通してしまえばすぐ平らになるのですが、今回は塗装もオリジナルを残したままの仕上がりにするのであえて細かく鑿で削ります。

スチールウールや細かいサンドペーパーでならします。削りすぎない様にしながら、汚れや塗装部分をはがし、色合いをならしていきます。

色のない所はまわりの色に合わせて着色します。

下地まで仕上がりました。

脚部の汚れ、付着物も丁寧に落とします。

削り取りや、追加した箇所の着色をします。裏側の見えない部分も日本の風土に合わせてカビないように着色します。


最後にツヤをつけるフレンチポリッシュ。ツヤの具合は職人のセンスと腕にかかっています。フレンチポリッシュはブログでも紹介しています。→こちら

完成!

これでレストア終了です。 今回のように修理修復の多い家具を「補修をされず、大切に使い込まれてきた家具」のように仕上げるのは時間のかかる作業でした。何種類かの木が使われており、おそらくもとは別の家具を、古い時代にこの形のコンソールテーブルに改造したものと思われます。パーツの年代自体は、ヴィクトリアンより前かもしれません。 玄関や廊下、寝室、リビングと置く場所を選ばない、とても便利なコンソールテーブルとなっています。

ご紹介の内容の通常の修理、仕上げ作業の代金は商品価格に含まれております。また、お買い上げ後も将来に渡りメンテナンスをお引き受けいたします。